画像は日本陸連より

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さて。すでにご存知の会員もいらっしゃいますが，卜部蘭さん（H30卒）が東京オリンピック日本代表（女子1500m）に内定となりました。本学陸上競技部関係者では，細田富男さん（S22卒，八幡製鉄所属＝当時，ヘルシンキ五輪男子100m，200m日本代表），杉森美保さん（H13卒，京セラ所属＝当時，アテネ五輪女子800m日本代表）以来3人目となります。以下では，内定に至ったワールドランキングと学部当時の競技結果等をご紹介することで，卜部さんの快挙をお祝い申し上げます。

オリンピックにおける女子1500mは，1972年から正式種目に採用されましたが，日本からは過去に出場した選手がおりません。日本陸上競技史上初の快挙です。この理由は日本記録よりも参加標準記録Aが高かったためであり，東京オリンピックの参加標準記録（4分4秒20）も日本記録（4分7秒86＝当時）より高く設定されておりました。卜部さんは今大会から設定されたターゲットナンバー（女子1500mは45）を意識し，ワールドランキングで出場資格圏内に入る戦略を立てていたようで，その動きはワールドランキング除外期間明けからの大会出場と得点構成からうかがい知ることができます。

表1は　除外期間明け時点でのワールドランキングです。個人では57位なものの，五輪出場枠では44位（ロシアを含む，以下同じ。）で出場圏内。1500mの自己ベストは4分14秒52（2019年）から4分11秒75（2020年，GPP東京）となったものの，除外期間のため含まれておりません。

表1　卜部さんのワールドランキング（R2.12.01発表）　1121.6pt　57位

表2は　日本選手権直前のワールドランキングです。短い期間に積力的に大会へ出場し，2019年の自己ベストを更新する高いパフォーマンスを発揮していることがうかがえます。

表2　卜部さんのワールドランキング（R3.6.22発表）　1161.2pt　67位

しかしながら，五輪出場枠では45位が1169ptのため，卜部さんは圏外（48位）でした。ここに日本選手権の結果を反映させたのが，表3です。

表3　卜部さんのワールドランキング（R3.6.29発表）　1176pt

1176ptは，6/22ランキングでは43位相当（個人56位相当）と，ターゲットナンバー内の順位に相当します。なお，日本選手権の記録（4分10秒52）は，自己記録（4分11秒75）を更新したタイムであり，日本歴代7位に相当するタイムでした。

7月1日。ランキングが更新され，45位（個人62位）に卜部さんの名前がありました。同ポイントで他に2名の選手の名前があるものの，2選手は下表のパフォーマンスのため，卜部さんが表記上ウエとなります。特筆すべきは25日（26日）の結果で，どちらも卜部さんより自己ベストはウエの選手ですが，この日のタイムは卜部さんが上回っておりました。日本選手権（女子1500m）で見せたラストのスパートが，史上初の快挙へと導いたことがうかがえます。

表4　Dina ALEKSANDROVA　1176.4pt

表5　Aurore FLEURY　1176pt

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卜部さんの学部時代の競技歴について