OBリレー第4走者:竹下雅之

第4走者 竹下 雅之 (Masayuki Takeshita) OB

当時 大学院教育学研究科(修士課程) 理科教育専攻 化学コース 
   中・長距離ブロック所属 
   800m:1分54秒82(M1)など
現在 神奈川県立横浜緑ケ丘高校教諭(理科:化学)、同校陸上競技部顧問

●共通質問●

―いまはどのようなお仕事を。

「神奈川県立緑ケ丘高校で理科の化学を教えています。3月までは2年生の担任をしていました。3年目で仕事にもだいぶ慣れてきて、仕事と(競技の)練習もいいリズムで両立できています。1年目は新しい環境になって、大変なところもありましたが、業務量が少なく、精神的に『大変だな』と思うときはありましたが何とかやれていました。当時は3年生の副担任で受験対応もしていました。しかし、1年目は(仕事の)見通しが立たなかったので、『やっていることがこれであっているのか』という不安がありました。何がわからないのかわからないという状態は良くありました。わからないことはすぐに素直に聞くことが大事だと思いました。競技を続けたいということもあったので、仕事との両立も大変でした。1日2時間で、土曜日は3時間くらいで週5~6日で練習はしていました。副担任で授業も多くはなかったので、割と時間は取りやすかったです。1年目の10月にメインで担当(準備から運営までを)していた体育祭が終わってからは、比較的落ち着いてやれるようになりました。その中でも1年目の7月に800mで自己ベストを出すことができました」

「2年目は仕事が落ち着いて、やることもわかってきていたので、担任を持っていましたがそんなに仕事はきつくありませんでした。ただ競技の方は1年目の冬で足底筋膜炎になって、1カ月くらい練習ができませんでした。ベースができておらず、競技の方は全然うまくいきませんでした。3年目は特に仕事でのトラブルもなく、競技でも自己記録を出すことができました」

―現役時代はどの種目を。

「既に話にも出ていますが、800mをやっていました。今も競技を続けています。横浜国大時代は大学3年の秋の1分56秒24が自己ベストでした。学芸でのベストはM1の夏の国士舘競技会で出した1分54秒82です。M2の方が走れてはいましたが、対校戦が多く、記録会で記録を狙う機会はあまりありませんでした。学芸に来てからは1年、2年と力が付いてきている実感はありました」

「学芸と横国は、練習は横国では週5回集合練習があったので、練習メニューもがっちり決めて『これをやらなきゃいけない』という意識が強かったです。学大は集合日以外は体調に合わせて変えてみたり、もっと自分と向き合ってできるようになったと思います。横国での経験も踏まえて、より柔軟に考えられるようになりました」

―1番思い出に残っている試合や出来事は。

「一番思い出に残っている出来事は、修士2年の8月初旬に1週間でいった紋別合宿です。陸上の練習も全力でやるし、紋別の町全体が陸上の合宿に来る学生を歓迎している雰囲気がありました。いろんな施設を使わせてもらいましたし、魚釣りや牧場にもいきました。陸上の練習以外にもみんなと過ごすことができ、練習以外のたくさんの思い出をつくることができ楽しかったです。練習も全力でやって、手応えもつかむことができました」

「一番思い出に残っている試合はM1の国公立26大学対校戦(宇都宮)です。メインでやっている800mで初めて決勝に進めました。横国の一つ下の後輩と26大学の決勝で一緒に走ろうという話をしており、初めて決勝で一緒に走れました。自分自身も決勝で走るのが1年生からの目標だったので、決められて良かったです。あの瞬間は、今思い出しても込み上げてくるものがあります。国公立の800m陣は仲が良くて、準決勝終わって見ていた後輩たちが集まってくれました。競技だけでなく、人とのつながりという意味でも思い出深い大会となりました」

―陸上部での活動がいまの仕事にどのように結び付いていますか。

「院生という立場で入ってきて、後輩がすごく多くいました。ありがたいことにすごく慕ってくれる後輩が多くて、その後輩たちと800mについて話す機会が多くありました。自分が先輩なので、後輩たちに教えることも結構多くありました。そうやって後輩たちと話すことが、いま生徒にいろいろ伝えていくことにプラスになっていると思っている

し、院生ならではの体験だったと思います。自分が聞くことよりも聞かれることの方が多かったので。何かを教えるということは部活指導に限らず、活きていることだと思います。後輩からの相談では、直接競技に関わらない人間関係のこともありました。そういうこともクラスをみることにもつながっていると思います」

「横国でも教員免許は取れましたが、教育には専門の学芸大の方がいいのかなという思いがありました。学大陸上部の雰囲気の良さも知っていましたし、他の環境で陸上をやってみたいという思いもありました」

「Twitterなどで学大の名前を見ると、『頑張ってるな』というのはあります。今は陸上部も人数が増えて、ブロック間の距離が出てきているような気がします。あとは、学大ももう少しOBたちで集まって、昔の話しを語り合う場ができれば嬉しいです。特に今の20代前半から30歳くらいまでの人で、集まってやることが獅友会の発展にもつながるんじゃないかなと思います」

―あなたにとって”学芸陸上部“とは。

「学大のいいところは自分で考えてやれるところだと思います。自分で考えるとは言っても、孤独ではなく一緒に考えてくれる同じ熱量を持った人たちと一緒に試行錯誤しながら強くなっていける場所だと思います。練習は一緒にできなくても色んなブロックの人たちと話して、刺激をもらい、その中から800mにつながるようなヒントをもらうこともありました。すぐ近くにいろんな話しができる人がいて、一緒に強くなっていける場所だと思います」

取材日:2018年12月22日
聞き手:片井 雅也(H28 B類社会専攻卒、学生時代はトレーナー)
写真説明:学芸大学グラウンドにて

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